今回は先日行われたプロツアー神々の軍勢で準優勝を果たしたJacob Wilson氏のデッキを考察したいと思います。
優勝したトリココントロールに関してはモダンを楽しむMTGブログさんが考察されてるので、興味のある方はそちらをご覧ください。
【メインボード】
3:《森/Forest》
1:《沼/Swamp》
2:《草むした墓/Overgrown Tomb》
1:《森林の墓地/Woodland Cemetery》
1:《寺院の庭/Temple Garden》
3:《剃刀境の茂み/Razorverge Thicket》
1:《神無き祭殿/Godless Shrine》
4:《霧深い雨林/Misty Rainforest》
4:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
3:《ガヴォニーの居住区/Gavony Township》
4:《極楽鳥/Birds of Paradise》
3:《貴族の教主/Noble Hierarch》
1:《臓物の予見者/Viscera Seer》
2:《復活の声/Voice of Resurgence》
2:《根の壁/Wall of Roots》
1:《シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok Outcast》
1:《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
1:《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
1:《呪文滑り/Spellskite》
4:《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》
1:《永遠の証人/Eternal Witness》
1:《オルゾフの司教/Orzhov Pontiff》
2:《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》
1:《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence》
1:《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》
1:《目覚ましヒバリ/Reveillark》
1:《叫び大口/Shriekmaw》
2:《突然の衰微/Abrupt Decay》
4:《出産の殻/Birthing Pod》
3:《召喚の調べ/Chord of Calling》
【サイドボード】
1:《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wage》
1:《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
1:《復活の声/Voice of Resurgence》
1:《調和スリヴァー/Harmonic Sliver》
1:《罪の収集者/Sin Collector》
1:《強情なベイロス/Obstinate Baloth》
1:《納墓の総督/Entomber Exarch》
2:《殺戮の契約/Slaughter Pact》
4:《思考囲い/Thoughtseize》
2:《流刑への道/Path to Exile》
:コンボ非特化
まず目につく点は、従来のメリーラ殻に比べてコンボ要素がとても薄い事。
いわゆる「無限頑強コンボ」用のクリーチャー、《臓物の予見者/Viscera Seer》と《シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok Outcast》がそれぞれ一枚のみ、《スパイクの飼育係/Spike Feeder》と《テューンの大天使/Archangel of Thune》による「無限ライフ無限+1/1コンボ」は不採用。『殴り殻/Baet Pod』と呼んでも問題ないように思う。
プレイオフの対戦を見ていても、コンボを使わず殴り切る展開が多かった。(サイド後はほぼメリーラをサイドアウトしていたのでは)
Zoo等の高速ビートダウンの台頭を見越して、単体で引いた時に弱いコンボパーツの採用枚数を極力落とした構成なのではないでしょうか。
:メインボードの構成
《突然の衰微/Abrupt Decay》2枚は最近よく見る構成。その上追加の除去兼5マナ生物としての《叫び大口/Shriekmaw》。序盤は2マナでタルモゴイフでも野生のナカティルでも除去する事ができ、5マナから素撃ち、あるいは殻からサーチする事で盤面の脅威を排除しつつ3点クロックにもなる。
《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence》はこれ一枚で『双子』系デッキを大きく減速させる。『出産の殻』系デッキの内、コンボ寄りのタイプにも有効(鏡割りのキキジキや臓物の予見者が起動できなくなるため)。また環境の除去が稲妻中心になっているためタフネス4が落とされにくいのも好印象。
《漁る軟泥/Scavenging Ooze》はポスト死儀礼のシャーマン兼ビート要員。『死せる生』や同系など墓地利用デッキとのマッチアップを重視してか、メインに1枚、サイドに1枚採用。また終盤引いてしまったマナクリーチャーを生贄に捧げ、軟泥で食べる等おもしろい動きもあります。
:サイドボードの構成
未練ある魂の不採用が特徴的だと思います。殻対策カードを入れてくる相手に対するプランB、ヴェールのリリアナ対策等々非常に強力なカードですが、ジャンドが死儀礼のシャーマンを失い弱体化した事で不要という判断でしょうか。
そして《流刑への道/Path to Exile》2枚、《殺戮の契約/Slaughter Pact》2枚という多めの除去。構えるマナが最小で良い2種類を選択しているので隙が少なくなっていますね。同じく隙の少ない四肢切断が不採用なのは、ダメージレースでの不利を見越してでしょうか。
:最後に
というわけで、自分でも回した事のあるメリーラ殻を考察してみました。
リストを初めて見た時あまりのコンボパーツの少なさに、「殻はとうとうここまで来たか!」と感心しました。
プロツアー準優勝の結果からもこのデッキの強さが伺い知れます。頑強の天敵だった死儀礼のシャーマンが禁止になった事も追い風でしょうか。
決勝戦では惜しくも敗れてしまいましたが、Jacob氏おめでとうございます!